カンタンマップ導入事例 大淀町役場 様

大淀町役場 様
ー導入事例ー

導入事例のご紹介

紙地図・電話から脱却!大淀町役場のカンタンマップ活用
~豪雨災害をきっかけに広がる自治体DX~

自然と暮らしが近い大淀町で求められる、有害獣対策の情報管理

大淀町役場 様

奈良県吉野郡に位置する大淀町。町内には吉野川が流れ、川と緑に恵まれた自然豊かな地域である。町西部の大阿太高原では梨の栽培が盛んに行われるなど、自然や農地が地域の暮らしと身近にある町だ。

その一方で、自然と生活圏が近いからこそ、有害獣への対応も地域の暮らしを守るうえで重要な行政業務の一つとなっている。

大淀町ではイノシシやシカなどによる被害のほか、サルが住宅地周辺に姿を見せることもあり、役場には住民からこれらの有害獣の目撃情報や「今、どこにいるのか」といった問い合わせが寄せられるという。有害獣対策は農作物被害だけの問題ではなく、住民の生活にも関わる身近な課題なのである。

こうした有害獣対策を担っているのが、大淀町役場 建設産業課だ。同課では農政、農業委員会、有害獣対策などを担当している。

従来は、住民から電話で情報を聞き取り、紙地図で場所を確認し、口頭やメモで職員間に共有する方法が中心だった。

その業務改善につながるきっかけとなったのが、約3年前の豪雨災害で活用したkintoneと「カンタンマップ」である。災害対応から始まった地図活用は、その後、有害獣の出没管理へと広がっていった。 今回、大淀町役場 建設産業課の桝本氏、上中氏に、導入の経緯や現場で起きた変化、今後の展開についてお話を伺った。

目次

課題と導入経緯
– 豪雨災害から始まった地図活用。有害獣対策で見えていた「紙と電話」の限界 –

カンタンマップとの最初の接点は、約3年前の豪雨災害

現在、建設産業課では有害獣の出没管理にカンタンマップを活用している。
しかし、最初から有害獣対策のために導入したわけではない。カンタンマップとの最初の接点は、約3年前に発生した豪雨災害だった。

当時について、桝本氏はこう振り返る。

「豪雨災害が3年ほど前にあり、その際に活用をさせていただきました。大淀町で災害が発生した場合を想定し、事前に専用のアプリを構築して、実際に対応すべき事案が起こった際に、すぐ登録できるようにしていました」

アプリには、災害の発生日時や場所、災害の種類・規模、住民から寄せられた要望、現場で確認した内容などを登録した。
災害時に発生するさまざまな情報を、「場所」と紐づけて記録する仕組みである。

その後、サイボウズからの紹介による勉強会で、当時建設産業課に所属していた若手職員らがカンタンマップの活用方法を学んだ。
上中氏は、そのときの印象をこう話す。

「カンタンマップについて教えてもらって、『これは使える』と思いました。どうしても現場での対応が多い部署なので、そこをマップ上で管理できるというのは非常に有利になるということで、プラグインを購入させていただきました」

災害という非常時のために始まった地図活用が、やがて日常的に発生する有害獣への対応にも活用されるようになったのである。

電話・紙地図・メモ。情報が「担当者のところ」で止まっていた

有害獣の出没管理で大きな課題となっていたのが、情報共有だった。
住民から通報が入ると、職員が電話で有害獣の種類や場所、被害状況などを聞き取り、必要に応じて現場へ確認に向かう。

しかし、カンタンマップ導入前は電話で受けた通報内容を、紙のメモや口頭で共有する運用が中心だった。

「アプリを使わせていただくまでは、電話や口頭で情報を共有するということがほとんどでした。しかし、それでは全員に情報が行き渡るまで時間がかかってしまっていました」と桝本氏は話す。

現場へ向かう際には、紙地図をコピー・印刷して持ち出していた。
しかし紙地図は現場で扱いにくいうえ、書き込んだ情報が一枚の紙にしか残らない。

「もしその管理している紙を紛失したりすると、当時得た情報が分からなくなってしまうという不安がありました」と桝本氏は振り返る。

さらに、最初に電話を受けた担当者以外には詳しい経緯が分からないことも多く、住民から進捗確認の問い合わせがあれば、改めて担当者に内容を確認する必要があった。

つまり課題は、単なる「紙地図の使いにくさ」だけではない。
電話、紙地図、メモ、担当者に情報が分散し、必要な職員が必要なときに同じ情報を確認できないことが、現場対応の大きな負担となっていたのである。

聞き取った場所が違う。現場に着いてから「探す」ことも

もう一つの課題が、位置情報の正確さだった。

「電話があってから場所を聞き取りして、地図で確認して現場へ向かうと、聞き間違いなどで場所が違うこともありました。その場合、現場に着いてから探さないといけなくなり、時間が必要になっていました」と上中氏は当時を振り返る。

有害獣への対応では、「どこに出たのか」が重要な情報となる。
だからこそ、地図上で正確な位置を共有できるカンタンマップが、現場の課題と合致したのである。

導入効果

「場所を探す」から「ピンを見て向かう」へ。現場と庁内の情報共有が変化

カンタンマップ導入後、大きく変わったのが「現場の場所確認」である。
現在は、有害獣の出没場所を地図上に登録し、スマートフォンから確認できる。

「カンタンマップだとスマートフォンで見られるようになりました。地図上に登録をしているので、そこにピンがきちっと立っており、場所間違いがなくなりました。それにより、そこまで向かう時間の短縮ができるようになりました」と上中氏は話す。

従来のように紙地図を印刷して場所を確認し、現地に着いてから周辺を探すという工程が減った。
実際に利用する職員からも、「管理がしやすくなった」「地図を印刷しなくて良くなった」といった声が上がっているという。

▲有害鳥獣目撃情報システム 通報フォーム 地図入力画面例

▲有害鳥獣目撃情報システム kintone一覧画面例

アプリに登録すれば、担当者不在でもすぐに情報を確認

庁内での情報共有も大きく変わった。
現在は住民から電話が入ると、担当職員がいる場合は担当者が、いない場合は電話を受けた職員がアプリへ情報を登録する。

登録しているのは、有害獣の種類、1匹か群れか、出没場所、農作物の食害などの被害内容だ。

「担当がいないときに、メモだけだとどうしても確認に時間がかかる部分があったので、アプリの方に登録してもらったら、その通知を見てすぐに内容が確認できます」と上中氏。

桝本氏も、「このアプリを使うことによって、ユーザー登録されている職員全員に通知が行き渡るようになりましたので、すぐ内容を確認できるようになったというところが、一番大きいメリットです」と話す。

電話や口頭で一人ずつ「伝える」情報共有から、アプリに集約された同じ情報を職員が「見る」情報共有へ。
担当者が不在でも状況を把握しやすい仕組みへと変化したのである。

▲有害鳥獣目撃情報システム カンタンマップ 地図画面例

▲有害鳥獣目撃情報システム カンタンマップ データ情報画面例

現場でそのまま入力。帰庁後の事務作業も効率化

変化は、現場へ向かうまでだけではない。
従来は現場で状況を確認した後、庁舎へ戻ってから改めて情報を取りまとめる必要があった。

現在は、現場で確認した情報をその場でアプリへ登録できる。
「今までは一度庁舎に戻ってから事務処理としてまとめることが必要でした。しかし、今回アプリ化したことで、現場でその場で情報を入れることができるようになりました。帰ってから事務に使う時間が、非常に効率的になったと思います」と上中氏は話す。

紙地図の印刷が不要になり、現場で情報を登録でき、その内容を庁内ですぐに共有できる。 カンタンマップの導入は、紙をデジタルに置き換えただけではなく、「通報を受ける→場所を確認する→現場へ向かう→情報を記録する→職員間で共有する」という一連の業務フローの改善につながっている。

今後の展開

職員のための地図から、住民と庁内をつなぐ仕組みへ

大淀町では現在、まず職員が有害獣管理の仕組みを使いながら、より使いやすい形へブラッシュアップを進めている。
その先に構想しているのが、住民自身が有害獣の情報を通報し、出没状況を確認できる仕組みだ。

「まずは職員が使って、それを使っていく中で『ここをもう少し変えたらいいんじゃないか』というところをブラッシュアップして、住民さんへホームページなどで公開したいなと思います」と上中氏は話す。

住民からの通報にはFormBridge地図連携を活用し、さらに「カンタン公開マップ」で、どこにどの有害獣が出ているのかを住民が確認できる形を検討している。

「公開マップを見れば、どこに出没し、どこに集中しているのかというのが一目で分かるので、住民さん側でもどういう対策を取ったらいいかも分かりやすくなると思います」と上中氏は期待を寄せる。
公開時には町のホームページだけでなく、広報や公式LINE、各種SNSなどを通じて住民へ周知していく考えだ。

さらに、カンタンマップの活用は有害獣対策だけにとどまらない。

現在、建設産業課で検討されているのが道路管理への応用である。

「例えば道路に穴が開いているとか、崩れているとか、そういった連絡は電話だったり、来庁してだったりというところもあります。それを同じような形で構築して、住民さんが通報できるようなシステムを作れたらなと、今話をしています」と上中氏は語る。

また、今後、他部署からkintoneやカンタンマップを活用したいという相談があった場合についても、上中氏は「まずは、アドバイスをさせてもらって、支援していきたい」と話す。

現場業務の中で実際にアプリを構築・運用してきた建設産業課の経験を、他部署の業務改善にも活かしていく考えだ。

豪雨災害をきっかけに始まった地図活用は、有害獣管理へ、さらに住民向け通報や公開マップ、道路管理、庁内の他業務へと広がろうとしている。

まずは現場で使い、改善する。そのうえで住民や他部署へ展開していく。
大淀町では、現場で培った活用ノウハウを少しずつ広げながら、地域の課題に即したDXを進めている。

(2026年8月取材)

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この記事を書いた人

カンタンマップ イメージキャラクターのピン悟空です
キントーンに乗って、空から地図活用をサポートします!

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