
舞鶴市役所 様
ー導入事例ー


導入事例のご紹介
現場主導で市役所職員が自作!
舞鶴市役所がノーコードで実現した「クマ出没通報システム」
~ 増加するクマ被害に対応する自治体DXの実践事例 ~


全国で深刻化するクマ被害と舞鶴市の取り組み
舞鶴市役所 様
近年、日本全国でクマの出没および人的被害は急増している。環境省の資料によると、ツキノワグマの出没件数は近年過去最多水準で推移しており、特に令和5年度(4月〜12月)の出没件数は統計開始以降で最多となった。クマは秋に出没が急増する傾向があり、餌不足や生息域の変化などを背景に、人里への出没が全国的に拡大している。
こうした状況は近畿地方でも顕著であり、京都府北中部では集落周辺での目撃情報が増加している。舞鶴市においても例外ではなく、市内各地でクマの目撃情報が頻繁に寄せられており、住民生活に密接に関わる課題となっている。
こうした中、京都府舞鶴市役所では、農林課を中心に有害鳥獣対策に取り組んでいる。農林課は日常的に現場対応が求められる部署であり、市民の安全と農業被害の防止の両面で重要な役割を果たしている。
なかでも近年、特に対応負担が増していたのが、ツキノワグマの出没に関する通報対応だ。クマの目撃情報は生息数の推計や捕獲上限の設定に直結する重要なデータであり、正確かつ迅速な収集が求められる。しかし、従来の電話中心の通報体制では、情報の収集・整理・共有のすべてにおいて限界があった。
こうした課題に対し、舞鶴市では現場職員自らがノーコードツールを活用し、kintone・FormBridgeと「カンタンマップ」を連携した「クマ出没通報システム」を構築。従来のアナログ業務を大きく転換する取り組みを実現した。 今回、舞鶴市農林課 林業振興・有害鳥獣対策係の藤原和樹氏と、デジタル推進課の瀬野公哉氏から、その取り組みについてお話を伺った。
課題と導入経緯
– 通報課題の解決へ、現場が選んだ「カンタンマップ」という選択 –
通報されない・位置が分からない…現場を悩ませていた2つの課題
舞鶴市では、ツキノワグマの出没は決して珍しいものではない。「山際の地域では日常的にクマが出没しており、市民の中には”また出た”という感覚で見慣れている方も多い」と藤原氏は語る。
この”慣れ”が、通報率の低下という課題を生んでいた。従来は電話での通報を呼びかけていたが、以下のような状況が発生していた。
・見慣れているため通報しない
・夜間は電話をためらう
・目撃していたがすぐに通報せず、思い出した時に連絡する
結果として、本来把握すべき目撃情報が正確に収集できず、生息数の推計や捕獲上限の判断にも影響が出る可能性があった。
もう一つの大きな課題は「位置情報の曖昧さ」だ。電話で通報を受けた場合、地図を見ながら「北側」「南側」といった情報を聞き取り位置を特定していたが、橋の名称だけでは場所が判断できないケースや、「車で行って右」という説明でどちら向きからの右なのかが分からないことも多く、正確な位置の特定が困難だったという。
そのため職員は紙地図を広げながら位置を推定し、場合によっては現地確認を行うなど、対応に時間を要していた。クマが活動的になる秋ごろには月間で多数の目撃情報が寄せられており、アナログな業務フローは迅速な初動対応を求められる現場において大きな負担となっていた。
「これなら自分たちでも作れる!」カンタンマップとの出会い
こうした課題を背景に、農林課はデジタル推進課へ相談を行い、kintoneと地図連携が可能な「カンタンマップ」を紹介された。
説明会に参加した藤原氏は、その操作性の高さに強い可能性を感じたという。特に評価されたのは、地図をタップするだけで位置を登録できる点だ。従来のように住所を手入力する必要がなく、通報時の手間を大きく軽減できる設計となっていた。

「項目も必要最小限のところで、こちらが聞きたいところを聞けるというような作りになっていたので、少しでも手軽に通報しやすい環境にできるのではないかと感じました。」
さらに重要だったのは「プログラミング不要で構築できる」という点だ。当時、ITに詳しくない職員が中心となり検討していたため、この点は非常に魅力的だった。藤原氏は「直感的に操作できたので、自分たちでも作れると感じた」と語る。
現場主導で進めたシステム開発
「クマ出没通報システム」の最大の特徴は、外部ベンダーに依存せず、現場主導で構築された点にある。開発は農林課職員が中心となり、構築後の運用も基本的に農林課が主体となって行っている。 項目の追加・画面改善・運用ルールの調整といった改善は現場で対応し、難易度の高い内容のみデジタル推進課が支援する体制だ。この「現場×支援部門」の分業により、スピーディな改善サイクルが実現されている。

導入効果
「通報のあり方」が変わった…!現場と市民に起きた変化
「クマ出没通報システム」では、市民はスマートフォンから簡単に通報できる。最大の特徴は「地図ベースの入力」で、従来のように住所を手入力する必要がなく、通報時の手間を大きく軽減できる設計となっている。

「直感的にすごい使いやすいなと。文字で住所等を入れるとなると手間がかかりますので、それが通報のハードルになると思っていました。タップすることで住所が示されるというところがすごい便利だなと感じました。」これにより、正確な位置情報の取得・入力時間の短縮・誤認の防止が同時に実現された。

▲クマ出没通報システム 出没地点 地図入力画面例

▲クマ出没通報システム 入力画面例
導入によって起きた”通報行動の変化”
導入後、最も大きな変化は「通報のされ方」だった。現在では通報の約3分の1がシステム経由で行われており、電話では難しかった夜間の通報が可能になった。
また、「その場では通報しなかったが、後で入力する」ケースや、以前の目撃情報を正確な位置付きで再通報する事例も増加した。これらはすべて、「通報の心理的ハードルが下がった」ことによる変化といえる。

業務効率と精度の向上
システム導入は市民側だけでなく、現場側のメリットも大きかった。従来は「電話で聞き取り→紙地図で確認→位置を推定」という工程が必要だったが、システム導入後は「地図上で即座に位置把握→時系列での情報整理」へと変わった。また、情報精度の向上により、初動対応の判断スピードも改善されている。

今後の展開
現場を支える環境づくりと、今後の展開
舞鶴市では、システム導入にとどまらず、現場で継続的に活用されるための環境づくりにも取り組んでいる。イベント形式での勉強会に加え、「kintoneカフェ」と呼ばれる取り組みも実施している。特定の時間帯に自由に出入りできる場を設け、職員がkintoneの操作や活用方法について気軽に相談できる環境だ。デジタル推進課の瀬野氏は、「なるべく現場の皆さんが相談しやすいような環境づくりを目指しています。」と語る。こうした取り組みにより、現場の職員が自ら課題に気づき、アプリの修正や改善に主体的に関わる体制が整えられている。
また、全職員にChromebookとGoogleアカウントを一斉導入しており、全庁的にデジタルツールを活用できる基盤が構築されている。これにより、特定の担当者に依存せず、組織全体でシステムを活用する環境が実現されている。
今後の課題としては、クマ出没通報システムのさらなる周知が挙げられている。市民への認知が十分とはいえない側面もあり、今後は周知を進めることで、より正確な目撃情報の収集につなげていく方針だ。
このような取り組みは、クマ被害に限らずさまざまな自治体業務に応用可能であり、全国の自治体にとっても再現性の高いモデルといえるだろう。舞鶴市の取り組みが、他分野・他自治体へどのように広がっていくのか、その動向にも注目したい。
(2026年3月取材)
\ お気軽にお問い合わせください! /

導入の流れ | カンタン4STEP
01 お問い合わせ
まずはお気軽にお問い合わせください。
担当者より 3営業日以内にご連絡いたします。
02 体験版をお試しで利用する
カンタンマップシリーズは
1カ月無料の体験版をお申込みいただけます。
03 ご契約
1か月の体験版利用が終了しても、
引き続きご利用いただく場合は
本契約をすることで、そのままご利用いただけます。
04 導入スタート
ライセンス証とマニュアルをメールにて送付いたします。
導入後のご質問につきましては、お問合せください。
カンタンマップシリーズに関する お問い合わせや導入のご相談は下記フォームよりお願いいたします。


