
神戸市役所 様
ー導入事例ー


導入事例のご紹介
地図で考えるkintone×「カンタンマップ」活用と市民安全の未来
神戸市役所が進める現場発DX


港湾都市・神戸市を支える行政機関としての取り組み
神戸市役所 様
神戸市役所は、人口およそ150万人を擁する政令指定都市・神戸市の行政機関として、港湾都市としての発展とともに市民生活を支える多様な行政サービスを展開している。
六甲山と瀬戸内海に囲まれた自然環境と都市機能が調和するまちとして、防災・福祉・観光・産業振興など幅広い分野で持続的な大都市経営を行い、国際都市としての価値を高めるため「海と山が育むグローバル貢献都市の実現」を掲げている。
一方で、少子高齢化の進行や地域コミュニティの希薄化、空き家増加といった都市特有の課題にも直面しており、効率的な行政運営と迅速な市民対応が求められている。
また、神戸市は地形的にも山地・市街地・港湾部を併せ持ち、道路・橋梁・街路樹・公園の維持管理、防災拠点や避難所の配置、空き家・不法投棄の調査など、位置情報を基点とする業務が非常に多い。
このため、庁内では地図と業務データを組み合わせた「位置情報連携システム」の活用ニーズが年々高まっていた。
こうした背景のもと、神戸市は「現場職員が自ら業務を改善できるDX基盤の整備」を目的に、庁内でのkintone(キントーン)活用を全庁的に展開。
さらに、地図上でデータを管理・共有できる「カンタンマップ」を組み合わせることで、業務のスピードと正確性を高める取り組みを進めている。
その代表例が、安全対策課による「空き家情報管理のデジタル化プロジェクト」である。
今回、神戸市 企画調整局デジタル戦略部ICT業務改革担当の中山圭輔氏・後藤田朋弥氏・木村紗莉氏、建築住宅局建築指導部安全対策課の藤田晶子氏・岡本真弥氏・川口華氏から、当社の「カンタンマップ」を活用した業務改善についてお話を伺った。
課題と導入経緯
増え続ける空き家への対応限界 現場の声から始まった地図活用への転換
高齢化や人口減少を背景に増え続ける空き家。
対応が追いつかない現場の課題に向き合う中で、「地図で管理する」という新たな発想が生まれた。
神戸市では、庁内約9,000人の職員にkintoneライセンスを配布し、全庁的なDXを推進している。各部局の業務改善を支援するデジタル戦略部が中心となり、現場の声を踏まえて外部連携サービスやプラグインを選定。その中でも、地図連携ツール「カンタンマップ」は、視覚的に情報を把握し、現場の即応性を高める仕組みとして注目を集めており、徐々に活用が広がっている。
特に安全対策課が取り組む「空き家情報管理」は、地図活用の先行事例として庁内外から関心を集めている。市内には約11万8,000戸の空き家(利活用できるものを含む)があると推計され、周辺に悪影響を与える空き家・空き地について年間800件を超える相談・通報が寄せられる。
「内容としては、夏場に増える“草木が伸びている”といった軽度のものから、台風の際に“瓦が落ちている”“外壁が崩れている”といった危険を伴うものまでさまざまです。主に空き家の近隣住民からの通報が多く寄せられています」と、安全対策課の川口氏。
こうした通報件数は高齢化や人口減少を背景に増加の一途をたどっており、従来の管理手法では対応しきれない状況にあった。
Access時代の課題と新システムへの移行
これまで空き家情報はMicrosoft Accessを用いて管理されていたが、住所や現場状況といった文字情報の記録にとどまり、地図との連携がなかった。そのため、どこに空き家が集中しているのかを視覚的に把握することが難しく、区役所や外部委託業者との情報共有もファイルやメールに依存していた。結果、現場と本庁の間で情報の齟齬が生じることも少なくなかった。
そうした現場職員の発想が、新たな管理システム構築の原点となり、kintoneと「カンタンマップ」を組み合わせ、地図上で位置情報を直感的に確認しながら、関連データを一元管理できるようになった。 現場からの通報受付から調査依頼・現地調査・所有者調査・報告・所有者への依頼文送付までがスムーズにつながり、作業の抜け漏れ防止や確認作業の効率化にもつながっている。

活用例「空き家情報管理のデジタル化」
地図連携で変わる現場業務 ノーコード開発で実現した内製運用
地図上での情報管理とノーコード開発による柔軟なシステム構築により、神戸市の空き家情報管理業務は大きく進化した。現場職員が自ら運用を改善し、外部委託や庁内連携を含む一連の業務を、ひとつのプラットフォーム上で完結できる仕組みを実現している。
市民から空き家に関する通報があると、市職員はまず「カンタンマップ」を立ち上げ、聞き取った住所を入力。地図上で過去のデータを検索し、新規案件であれば地図をクリックするだけで新規レコードが自動生成される。住所や緯度経度は自動取得され、現場情報や要望者の情報を追記することで、即座に「空き家情報カード」が完成する。
現地調査が必要な場合は、外部委託業者にkintone経由で依頼。委託業者にもユーザーIDを発行し、依頼・報告・確認といった一連のやり取りをkintoneのスレッドやコメント機能を使って行っている。
また、現地調査に必要な住所や地図などの情報もkintoneのレコード上で、市職員と委託業者が同じものを閲覧できるため、メールなどで資料のやり取りをする必要がなくなった。

▲空家空地台帳 カンタンマッププラグイン画面例

▲空家空地台帳アプリ 詳細マッププラグイン画面例

このほかにも、「担当者が異動しても、過去のやり取りはすべてkintone上に記録されているため、引き継ぎがスムーズに行えるようになりました。」と安全対策課川口氏は語る。
また、空き家所有者に送付する「適切管理依頼文」もkintoneアプリから自動生成できる仕組みを導入。ひな形に必要情報が自動反映され、文書作成にかかる時間を大幅に短縮した。
これらの仕組みはすべてノーコードで構築されており、職員が現場のニーズに応じて柔軟に改善・拡張でき、内製による運用の強みが発揮されている。

▲「適切管理依頼文」 帳票出力例

▲現地写真例

改善効果
市民開発の伴走支援で進化する現場発DX
今回のシステム構築では、外部業者にすべてを委託するのではなく、職員と開発者が同じ目線で協働する「伴走支援型」の開発体制を採用。
神戸市が推進する「アーバンイノベーション +P」枠で採択されたプロジェクトとして、開発費を伴わずに知見を持ち寄り、現場に最適な仕組みを共創した。

「本件のような複雑な案件の場合、市民開発を職員だけでゼロから始めるのは難しい部分がある。業務知識を持つ現場と、それを形にできるパートナーの適切な伴走支援が成功の鍵だったと思います。」とデジタル戦略部の後藤田氏は振り返る。
運用の中で、初期表示の読み込み負荷やピンの色分けルール、完了案件の非表示設定、地図の中心位置調整など、現場から改善要望が上がることもある。
しかし、こうした課題に対しても柔軟かつ迅速に対応できる点こそ、職員と開発者が伴走する運用の強みとなっている。
地図で変わる業務 効率化・正確性・セキュリティ

「カンタンマップによる地図での“見える化”により、業務の精度とスピードが大きく向上し、現地調査の準備もスムーズになったと感じています。職員からは『情報が一元化されていて安心』『部署間のやり取りがスムーズになった』といった声が寄せられています。」とデジタル戦略部の木村氏は語る。
過去の通報データが地図上にピン表示されるため、現地調査の際には周辺案件を一目で把握でき、ルート設計も容易になった。
たとえば、空き家Aを調査する際に、近隣の空き家BやCも同時に確認するなど、現場での動線を効率的に組み立てられるようになり、調査業務全体の生産性が向上した。
調査結果はタブレット上で即時に更新され、紙資料を持ち歩く必要がない。
これまでは、現地調査を依頼する際に地図や要望内容、確認してほしいポイントなどをエクセルでまとめる必要があり、資料作成に時間がかかっていた。
しかし、kintoneと「カンタンマップ」の導入により、これらの情報を一つのアプリで一元管理できるようになり、業務効率が大幅に向上。
必要な情報はタブレット上で確認できるため、現地調査もタブレット一つでスムーズに行えるようになった。
各案件の対応状況は、区役所・外部委託業者・本庁部署のいずれが現在対応しているのかがリアルタイムで更新されるため、一目で把握できる。情報共有もレコードの更新やコメント欄で即時に行えるようになり、関係者間のやり取りが格段にスムーズになった。
さらに、アクセス権限設定※により、部署間や委託業者との情報共有も安全に実施。メール誤送信による情報流出リスクを排除し、庁内での安心感も高まったという。
※委託業者には必要最小限の閲覧・コメント権限のみを付与し、個人情報や調査記録の更新は職員のみが行う設計とすることで、情報漏洩リスクを最小限に抑えている
「データが一元管理されているから安心」「引き継ぎが簡単」「リアルタイムで状況が分かる」など、現場からはそんな声が多数寄せられている。

今後の展開
「市民の安全」を起点に広がる現場発DXの可能性
神戸市では、現場職員による内製(市民開発)を基本としたkintone活用を全庁的に推進している。
空き家情報管理で導入した「カンタンマップ」による地図連携の仕組みは、業務効率の向上に大きく寄与しており、その成果をもとに、今後は他業務への展開を見据えている。
庁内では地図情報を活用した新たな仕組みづくりが広がりつつあり、防災の観点で「街路樹の安全点検」にも利用されている。この案件では、すでに実運用が始まり、倒木などの事故発生時に現場状況を地図上で即時共有することで、関係部署が迅速に対応できる体制を整えている。
さらに、今後は以下のような分野でも活用展開の可能性があると考えている。
・道路維持管理
工事や修繕状況を地図上で可視化し、現場から直接入力できる仕組み。
・消防・防災分野
山中での事故や災害対応時に「どこで何が起きたのか」を地図上で記録・可視化し、検証や再発防止に役立てる仕組み。
・市民通報対応
位置情報付きデータを自動で蓄積し、外部事業者への発注や対応指示に連携。通報から処理までを一元管理できる仕組み。
神戸市は、この一連の取り組み「kintone×地図によるDXのモデルケース」として位置づけ、他自治体との情報共有やノウハウ提供を通じて、周辺自治体を含めたデジタル化推進にも貢献していく考えだ。
(2025年10月取材)
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