
トーセイ株式会社 様
ー導入事例ー


導入事例のご紹介
現場社員の創造力で、数千万円のシステムが不要に…!
不動産DXを支える「カンタンマップ」という選択

不動産の再生とDX推進を加速する
トーセイ株式会社 様
トーセイ株式会社は、東京経済圏を中心に不動産関連事業を幅広く展開する総合不動産企業であり、東京証券取引所プライム市場およびシンガポール証券取引所メインボードに上場している。安定した経営基盤を持ち、とくに既存の不動産を取得・改修してバリューアップし、再び市場に流通させる「不動産再生事業」を強みとしている。また、ほかにも不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業、ホテル事業など、多角的な事業を展開。
このように多岐にわたる事業を手掛ける中で、トーセイではより効率的な市場分析と意思決定を支援するためのデジタルツールの導入を検討する。特に、土地の価格情報や家賃相場を可視化し、社内のデータ活用を促進する仕組みが求められていた。
そこで今回、トーセイ株式会社 DX推進本部 次長の稲葉康弘氏に、導入の背景や経緯についてお話を伺った。
課題と導入経緯
kintone(キントーン)でシステムを再構築するも、地図連携ができない…
トーセイ株式会社(以下、トーセイ)では、長年にわたり自社で構築した不動産管理システムを運用していた。しかし、年月の経過とともにそのシステムは、業務の変化や現場のニーズに柔軟に対応することが難しくなっていた。
旧システムでは、画面の切り替えや地図の描画に時間がかかり、地図上でのピンの表示も、数千件を超えるデータの読み込みにより表示が著しく重くなるなど、操作性に課題があった。
さらに、地図の印刷も一筋縄ではいかず、A4用紙を4枚印刷して貼り合わせていたという手間も発生していた。
こうした背景から、システムのリプレイスを検討し、当時構築を依頼した業者に相談したところ、数千万円規模の見積もりが提示された。全面刷新にかかるコストとしては妥当ではあったものの、稲葉氏は、より柔軟でコスト効率に優れた選択肢を模索していた。

そのような折、稲葉氏は「kintone(キントーン)」の存在を知る。「ドラッグ&ドロップでシステムが作れる」というコンセプトに懐疑的な印象を持ちつつも、自ら操作を試したところ、既存システムと同じ入力項目を並べるだけで、十分に実用的な仕組みが構築できることに気づいた。「もしかしたら、kintoneで業務システムの再構築ができるのではないか」と、その可能性に手応えを感じたという。
ただし、ひとつ大きな課題が残っていた。それは「地図情報の管理」である。不動産業務においては、物件情報や市場データを地図上で可視化することが不可欠であるが、kintone単体ではそれを実現する機能が備わっていなかった。
そうしたなか、稲葉氏は「地図連携」に関する情報を調べるうちに、「カンタンマップ」の存在を知る。
稲葉氏:「CybozuDaysの案内を見て、カンタンマップが出展していることを知りました。情報を地図上で可視化できるということで『kintoneに地図がないと思っていたけど、ここにあった!』という感じで、実際に見てみようと思ったのです」
あんなに重かった地図がサクサク表示される!
2017年11月、幕張メッセで開催された「CybozuDays」において、稲葉氏は弊社のブースを訪れ、弊社代表取締役社長・黒木から説明を受け、その場でデモンストレーションを体験した。

うちは不動産屋なので、ゼンリンの住宅地図じゃないと全然ダメなんですよと言うと、黒木さんがありますよと。で、ゼンリンの住宅地図がめちゃくちゃ軽くてバーッと動くのをその時初めて見て、衝撃でした。
すごく感動したのを覚えています
展示会で初めてお会いした時、稲葉さんは本当に熱心に質問をしてくれました。多くの来場者は『少し話を聞いてみよう』という感じの方が多いのですが、稲葉さんは実務を意識した非常に具体的な質問をくれたので、
説明に熱が入ったことを記憶しています


これまでにいろいろなシステムを見てきたんですが、費用が高すぎたり、思ったようにカスタマイズできなかったりで、なかなか決め手がなくて。そんな中で、カンタンマップはシンプルな操作性なのに、ちゃんと地図上に情報を載せられるし、しかも軽くて動作も早い。これは現場でも使えるなと、試してみたくなったんです
このようにして、トーセイにおける「カンタンマップ」導入の検討が本格的にスタートすることとなった。
改善効果
地図を中心に据えることで、社内の情報が立体的につながるように

カンタンマップの導入後、トーセイでは不動産情報の地図上での一元管理が実現し、現場の業務効率が大きく改善された。導入当初から、社内では「これで十分!」という評価の声も上がり、その操作性と軽快な動作が高く評価された。

旧システムでは、地図を開くたびに読み込みが発生していたので、
動作がとても遅くストレスになっていました。カンタンマップに変えてからはサクサク動くようになり、営業担当者たちからも『使いやすい』
『地図で探せるのが助かる』といった反応がありました
さらに、kintoneとの組み合わせにより、社内から上がってくる要望に対してスピーディーな改善が可能になった。たとえば、「地図アイコンの形を変えたい」「検索機能をもっと使いやすくしてほしい」といった声が現場から挙がるたびに、稲葉氏が自ら対応し、使いやすいように構築していった。そのため、カンタンマップは「トーセイ社独自のマップ」という意味で、トーセイ社内では「Tマップ」と呼ばれている。

前のシステムだと、入力項目をひとつ追加するだけでも、要件定義をして、開発環境で試して、本番環境に反映するまでに3か月近くかかっていました。でもkintoneなら、自分で2分で追加できます。
社内で、こうしたいという声が上がれば、すぐに実装できる。気づけば、フィールドがとても多いアプリになってしまったんですが、その分どんどん進化しています
当時はまだプラグインなんて整っていなくて、ゼロからの開発だったんですよ。でも、稲葉さんといろいろ話をしながら、一つひとつ形にしていって。ありがたいことに、今もなお使い続けていただいていて、本当に息の長いシステムになりました。
実は、トーセイさんからのリクエストを反映するかたちで、カンタンマップの標準機能になったものもあるんですよ。トーセイさんがいなかったら、今のカンタンマップはなかったかもしれません

カンタンマップの運用はkintoneとの深い連携を前提としており、現在では約1,000件近いアプリケーションが社内で展開されている。その中でもカンタンマップは「最も重要なアプリケーション」として位置付けられており、物件の取得から管理、そして収支分析まで、あらゆる情報が地図を起点に結びついている。

地図を中心に据えることで、社内の情報が立体的につながるようになりました。以前は個別のシステムや紙ベースでバラバラだった情報が、カンタンマップによって一つの画面上で直感的に確認できるようになりました
このように、トーセイではkintoneとカンタンマップを組み合わせた独自の業務基盤を構築し、現場の変化や成長に柔軟に対応しながら、継続的な業務改善を実現している。 また、必要に応じて、カンタンマップ側のカスタマイズや機能追加も行われ、現在のバージョンに至っている。
属人的だった相場観をカンタンマップで身につける


もともと、弊社の代表をはじめ数名の経営幹部が相場観に優れていて、今まではその感覚で物件を見極めてきたんです。でも、それが属人的で、社員にうまく共有できていなかった。そこを可視化して、全員が相場観を身につけられるようにしたいというのが、経営陣の希望でもありました
そこで稲葉さんは、物件価格や賃料の情報をマップ上に重ねて表示できる仕組みを構築。位置情報をもとに、周辺の賃料データを自動で表示させたり、エリアごとの価格帯を視覚的に把握できるようにすることで、社員一人ひとりが「地図を見るだけで相場がわかる」状態を目指している。

プロの営業は、駅前にビルがあるのを見ただけで『これは大体このくらいの価格だな』と分かるそうですが、普通の社員にはそれがなかなか難しい。だから、まずはマップ上で日々物件を眺めて、感覚を蓄積していく。その学習ツールとして、カンタンマップは非常に有効です
相場観は経験だけの世界、というイメージが強いですが、それをデータとして“見える化”して、若手社員も同じ視点で学べるようにする。この発想はまさに稲葉さんらしい、DX推進のかたちだと思います

うちはもう、kintoneとカンタンマップで十分
弊社の黒木が「本当に嬉しかった」と語るエピソードがある。上場企業であるトーセイには、日頃から多くのシステム会社が営業に訪れ、「今のシステムをリプレイスしませんか?」と提案されるそうだ。しかもその多くは数千万円規模の高額なパッケージシステムだ。しかし、稲葉氏はそれらの提案に対し「うちはもう、kintoneとカンタンマップで十分です。自社に最適化された仕組みを自分たちで改善しながら運用していますので」と、答えているという。
その話を聞いたとき『他社の不動産システムに負けていない』と思って、すごく嬉しかった。実際、稲葉さんが自分で構築したシステムで、必要なときに自分で改修できてしまう。だから、外部に依頼する必要がない。
それに誇りを持って運用されているのが、本当にありがたい


今後の展開
情報の高度活用と、さらなる業務のデジタル化へ
トーセイでは、kintoneとカンタンマップを軸としたシステム基盤が定着した今、次のステージとして「情報の高度活用」と「業務全体のデジタルシフト」を見据え、さまざまなツールを自社内で構築している。
さらに現在は、ヒートマップ機能や、AIによる価格予測の実装にも着手しつつある。

今はまだ試験段階ですが、位置情報をもとにしたヒートマップで、エリアごとの賃料や価格の分布を色で直感的に把握できるようにしたいと考えています。最終的には、AIによって『この立地ならこの価格が適正』といった提案ができるようになれば、よりスピーディーに物件の査定や仕入れ判断ができるようになります
その基盤として必要なのは、すべての業務情報が地図上で連携されていることだ。現在、案件データベースや保有物件データ、さらに会計システムまでもがカンタンマップと連携され、取得から売却までのライフサイクルを一元的に管理している。これにより、物件単位で必要な情報がすべて地図上から確認できる体制が整いつつある。
また、社内では約1,000件近いkintoneアプリが稼働しており、デジタル化の推進と並行して紙ベースの業務の完全撤廃を目指している。稲葉氏は、社内の業務改善をリードするDX推進本部の次長として、次の目標を見据えている。

今後も、kintoneとカンタンマップを中心に据えて、もっとスマートな不動産業務を実現していきたい。建築設計にかかる初期プランの作成などもAI化が進んでいるので、そういったツールも取り入れながら、業界全体の競争優位につながる基盤を作っていきたいですね
自社の業務に最適な仕組みを構築し、さらに改善を重ねていく……。もし稲葉氏がいなければ、外注に頼るしかなかった開発も、稲葉氏が自らの手で柔軟に構築・改良し続けてきた。その存在がもたらした価値は、数字では測れない。
そして弊社としても、今後さらに稲葉氏の創造力が発揮されるよう、カンタンマップを通じてその取り組みを支えていきたいと考えている。(2025年3月取材)
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導入の流れ | カンタン4STEP
01 お問い合わせ
まずはお気軽にお問い合わせください。
担当者より 3営業日以内にご連絡いたします。
02 体験版をお試しで利用する
カンタンマップシリーズは
1カ月無料の体験版をお申込みいただけます。
03 ご契約
1か月の体験版利用が終了しても、
引き続きご利用いただく場合は
本契約をすることで、そのままご利用いただけます。
04 導入スタート
ライセンス証とマニュアルをメールにて送付いたします。
導入後のご質問につきましては、お問合せください。
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